すべての事業はアントレプレナーによって創造され、再創造されます。
アントレプレナー期の組織はその事業内容,アプローチ、規模、求心力、発信力など、基本的にすべての構造と性質が創業者に委ねられています。そしてすべての事業は、アントレブレナー期を過ぎ、マネジメント期に移行すべき時がやってきます。経営者には、アントレプレナー期終焉の予兆を感じ取り、組織をマネジメント期へ、スムーズとはいかないまでも、移行させる義務が課せられているのです。
アントレプレナー期の終焉
アントレプレナー期終焉の予兆には以下のようなものがあげられます。貴社の場合は、いくつの項目が当てはまりますか?チェックを入れてみてください。
「あうん」の呼吸でものごとが進まない状況が増えてきた。
会議が増えてきた。
企業理念が空回りし始めてきたような気がする。
要員が増え、組織的マネジメントを必要とするようになってきた。
事業の諸側面で「前例」が積み重なり、かつ複雑化してきたため、意志決定を経営者の個人的判断にゆだね続けるには無理が出てきた。
創業の精神が受け継がれつつも、より普遍的で共有性の高い事業理念を必要とするようになってきた。
創業家経営者から次世代へ事業を引き継ぐことを視野に入れるべき時が来た。
市場の優位性が薄らいできて、より戦略的な事業運営を必要とするようになってきた。
現在の業容を維持・拡大しつつも、新たな市場機会を模索すべき時が来た。
上記のうち、3つ以上にチェックが入った場合は、貴社にはアントレプレナー期の終焉が近づいていると考えられるでしょう。マネジメント期への適切な移行準備に入る段階が来ています。
私どもでは、トップ経営者を対象とした経営・意志決定ファシリテーションを実施しております。メンターとして、アドバイザーとして寄り添わせて頂きます。
マネジメント期への移行戦略
マネジメント期への移行戦略を実行するには、まず事業の方向・領域の洗い出しと再定義を行うことが必要です。以下は私どもが実践に基づき設定した事業定義・再定義の項目とプロセスです。
- トップ・マネジメント体制の再構築(主に上位2から3者の権限・役割の再配分)
- 理念、ミッションの再定義
- 事業基本戦略策定 -事業の方向性
- 事業のコア・ドライビング・フォース(原動力)とコア・コンピタンス(独自の強み)の洗い出しと再定義
- 事業遂行戦略の策定、試行、実施、修正
-商品・サービス
-販路
-マーケティング・広報 - 事業戦略ブランディング
-時系列による規模のイメージ
-所有・資本
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a.組織b.財務・重点投資
上記は、重要度ではなく私どもが推奨する経営の方向と戦略策定のシークエンスに沿って記載してあります。この手順にしたがうと、まずはトップ・マネジメント・チームが着手、後に中盤から実務マネジメント層を招き入れて戦略を策定して行くという段階を踏襲することができます。
これにより、組織全体の理念とミッションを「練り込んで」行くことができるのです。
a.組織およびb.財務・重点投資の2領域については、各シークエンスの段階に呼応させて常に最適配分を検討して行きます。
経営者にとっての移行のジレンマ
マネジメント期への移行には事業の組織化が不可避です。組織化は必ずしも事業の効率化に寄与するものではありません。また、組織そのものが、そして組織を構成する社員個々人が自己防衛とセクショナリズムに向かう一面も露わになってきます。 しかし,移行期に事業を組織化しないと、その事業は一体性を失って瓦解の危機にさらされます。
これは、経営者にとってはまさにジレンマです。
自らプロデュースしてきた事業がマネジメント期に入り、組織化されて行くプロセスそのものが、経営者ご自身が元来持つアントレプレナーシップにタガをはめ、「マネジメント」に手を染めねばならないという「二重の挑戦」として、待ち構えているのです。
マネジメント期への移行戦略コンサルテーション
当社は主に創業家経営者に寄り添い、マネジメント期への移行戦略策定と実行のお手伝いをいたします。そのプロセスは「スムーズ」というわけにはいかない場合も多いのですが、だからこそ私どもはしっかりした「道筋」をご一緒に策定すること、そして実行に当たっては経営者・経営陣に「寄り添う」ことを大切にしています。
本コンサルテーションは、トップ経営者と私どもの相性に強く影響される面を持ちます。したがいまして、私どもでは最初にお目にかかった時点でプロボノによるコンサルテーションを実施させていただきます。このコンサルテーションによって私どものコンサルテーションを継続してお受けになるかをご判断下さい。 場合により、私どもよりコンサルテーションを辞退させていただく場合もございますので、あらかじめご了承ください。